【なつみが今、行きたい本屋 vol.1】街に根づく、開かれた本屋『SPBS本店』

おうちで過ごす時間が増え、#ブックカバーチャレンジ なんていう企画もインスタグラムで流行ったりと、本に対する関心が高まっている近頃。

本のみならず、ライフスタイルの多様化も背景にして、街の本屋が注目されつつある様子。こうした本屋は選書のセンスはもちろん、イベントの内容や商品の見せ方など、お店独自の企画力が支持されている。

いわゆる大手には負けずにオリジナルなセンスを発揮していて、訪れるだけでもとってもたのしいんだ。

そこで僕らは考えた。ならば、今注目している本屋にその店ならではの魅力やたのしみ方を聞き、みんなが自分の好きな、ファンになれる本屋を共に見つけようじゃないかと。

このシリーズでは、普段は広報の仕事をしているなつみが今行きたいと思っている本屋に訪れ、みんなの代わりにお店の魅力を聞いてくるよ。

 

風間夏実(カザマ ナツミ)

株式会社エードットの広報。新卒で入った大手銀行営業職を3年経験したあと、企業広報へと転職。過去に大学のミスコンテストに出場し、現在も個人でモデルやライターの仕事を行っている。

インスタグラムでは #なつたび #なつモグ 等のハッシュタグで、国内旅行や飲食店にまつわる情報を発信。

 

なつみの普段の本との触れ合い方

本屋に向かう道中、なつみが普段どのように本に触れ合っているかを聞いてみた。

「本は昔から好きで読んでます。児童文学から絵本、そして小説や最近だと仕事に関連するビジネス書も手にとっていて、日頃から気になった本のチェックは欠かさないです。

あと、お友達とも定期的にお互いのおすすめの本を交換しています。自分じゃ選ばないような本と出会える魅力もあって、今後もやっていきたいなと思っています」

インスタグラムのストーリーズにも、最近読んでよかった本をよくシェアしている彼女。

そこからフォロワーと会話が始まり、新たな本との出会いにも繋がっているそうで。こういうことを聞いてみても、選者、推薦者の顔が見える大切さを感じるよね。

 

--いつもはどこで本を買うの? 

「品揃えが豊富な場所と、選書がしっかりしている場所の2パターンです。あらかじめこれを買う! と決めているときはそれこそamazonで買ってしまうことが多くて。

目的がはっきりしているときは、やっぱり品揃えが多いところネットとリアル問わず利用します。

もう1つは、それこそ目的がないとき。ふらっと立ち寄って、見たことも聞いたこともない本の第一印象に惹かれて手にしたいですね。

そういう体験をしたくなるときがあるので、決めて買うときと、偶然の出会いと、どっちも大切にしています」

大きいお店があるから小さいお店はなくていいかと言うとそんなことはなくて、それぞれに果たしている役割がありそうだ。

 

これから訪れる『SPBS本店』ってどんなところ?

『SPBS本店』(エスピービーエス)には大学生の頃から通っていて、今でもお店の前を通ると思わず入りたくなってしまうというなつみ。 

渋谷の東急文化村から奥に続く一本道をまっすぐ進むと見えてくる、通称 “奥渋” と呼ばれるエリア。彼の地に店舗を構えるSPBS本店は、2008年に誕生した。

“出版する本屋” というコンセプトのもと、編集部の顔が見えるのが特徴。店内の奥に大きなガラスを隔てて編集部があるという。他の本屋ではあまり見られない光景だ。

 

入り口で感じる、細やかな配慮

入店すると、まず存在感のある新書、おすすめのコーナーが視線に入ってくる。

と、その前に手持ちの飲み物をおけるスペースが入り口に設けてある。 

近辺をコーヒー片手に散歩している人が多いということで、入ったら本を見るだけでなく、1つひとつ気になった本を両手にとって見てほしいというささやかな配慮。

ちゃんと、本に向き合える場所になっているんだね。

 

SPBS本店の魅力とは?

入り口の新書コーナー、クリエイターたちのZINE、カルチャー色の強い雑誌、珍しい装丁の本。そんな、SPBS本店の魅力ってなんだろう?

「1.独自のカルチャーを持ったセレクト、2.敷居の高くない、開かれた店内、3.本だけではない、雑貨との出会いも期待できる、の3つかなと思います。

あまり他の本屋では見かけない、目を惹かれる装丁の本を並べているところが好きで。 

あとはビジネス向けでも、ただノウハウやハウツーを教えてくれるものではなく、“自分らしさを活かす” といった、少し異なった切り口で示唆を与えてくれる選書をしているところが素敵です」

本屋としての軸があり、そこに自分の感性がフィットしているからなんだろう。お気に入りの服屋があるように、お気に入りの本屋があっても良いよなあ。

それでも、自分たちの世界に閉じているというわけでもなく、トレンドを意識した比較的手に取りやすい選書もしていて。雑誌も並んでいるから、心理的なハードルの高さもなくて。

「本だけでなく雑貨もあるというのは、自分用の本を買うだけでなく、本+なにかの贈り物を見つけられる場所でもあると思うんです。

とにかく立ち寄ってみることで、新しい発見をいろんな方向から得られるなって」

自分の感性にあったセレクトで、出会うべくして出会っているような。

でも、ほかの本屋にはあまり置いていない珍しい本に出会える。“偶然と必然の間” のような、そんな存在なのかも。

本屋という概念に閉ざさず、季節にあった雑貨も取り扱っている。発見する機会に溢れているからこそ、買うつもりはないけど、寄ってみると必ずたのしい体験が待っている。 

だからこそ、前を通るたびについ入ってしまう。そんな場所なんだろう。

 

SPBS本店で出会ったお気に入りの本たち

「最近買ったお気に入りは松浦弥太郎さんの<おとなのまんなか>です。

内容を読んでというよりは、入り口入ってすぐの場所で一目見て装丁が『あ、いいな!』と思って買いました。いわゆるジャケ買いってやつです。 

あとは、<I Love Youの訳し方>という本。文豪たちは愛をそのままの言葉を使わずにどう表現したのか? という内容の本とか、<翻訳できない世界のことば>も手に取りましたね。タイトルに惹かれました!」

その場で本を読みこむというよりは、ジャケットやタイトルで気になったものを買っていくなつみ。表紙を見える形で並べておけるよう、適度な冊数がセレクトされているこの書店ならではの本との出会い方があった。

 

会話から気がつく、新発見

一通り店内を散策したあと、広報の丸さんに少し質問。 

なつみ「本のセレクトに統一感がありつつも、今まで見たことないような本にも出会える。その秘訣はなんでしょう?」

丸さん(以下敬称略)「実は各棚ごとに担当者がいて、目を惹く装丁かどうかや、お客様の感性に響くかどうか、もちろんトレンドも読み解いて各自がそれぞれ選書しているんです。

そして、最後に店長が選書した本をチェックしています」

なつみ「なるほど。初めて来たときに驚いたんですけど、どうして編集部がガラス越しに見えるようにしているのでしょうか?」

丸「ビジネス雑誌の編集部出身である代表の『そこで作って、そこで売りたい、読み手が作り手を近くに感じる書店にしたい!』という想いがあり、こういった内装になりました」

なつみ「そうなんですね。編集部の方達はお客さんが本を手に取るところを、お客さんは普段は見れない編集部の風景を。それぞれにとってオープンで、顔の見えるお店として造られているんですね」

丸「そうなんです。最近は奥渋谷の店舗だけでなく、豊洲、虎ノ門にも新しい店舗を立ち上げました」

なつみ「ビジネスの街にも進出されたんですね!」

丸「はい。日本を動かしているビジネスパーソンの方達の感性を刺激する本を、SPBSが提案できないか? という観点で選書しています。

本店のノウハウをベースに、その街に適した内装、選書、雑貨のラインナップはなにか、日々 “編集” しながらお店を運営しています」

なつみ「その場所に合わせたセレクトだから、どの店舗にも行ってみたい! と思えるし、その街をSPBSさんはこう捉えているんだって、新しい発見がありそうです」

 

お気に入りの本屋がまた1つ増えて

なつみの本屋の楽しみ方、丸さんのお話を聞けたところで、みんなにも新しい本屋のたのしみ方ができてたら嬉しい。本そのものを目的に本屋に行く。その一方で、本屋自体を目的にしても面白いと思う。 

本屋巡りをして、自分のセンスに合う、お気に入りの本屋を見つけよう! さて、次はどこの本屋に行こうかな。

 

僕らの友達について

■風間夏実(カザマ ナツミ)

 Instagram:@natsumi_kazama

 

 

今回訪れた場所はこちら

■SPBS 本店

ふらりと立ち寄ったときに思いがけない本との出会いがたのしめる、心地よい場を目指す本屋。ガラス越しに編集部が見える造りもなんだか親近感があって良い。奥渋谷に訪れる人々の顔を想像しながら、スタッフが1冊1冊、丁寧に本を選書。また、本のそばにある暮らしをイメージできるような雑貨や古着も、共に並べている。

住所:東京都渋谷区神山町17-3 テラス神山1F

Instagram:@spbs_tokyo

公式サイト:shibuyabooks.co.jp

※営業時間や定休日などは上記Instagramや公式サイトのご参照をお願いします。

 

※撮影時のみマスクを外しています。また、アルコール消毒、三密の回避、検温等、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで取材を実施しています。 

 

記事の創り手について

イマイ キミアキ - 取材・執筆

日常のちょっとした瞬間から特別なシーンまで、“答え” ではなく “問い” を持ち、みなさんと共に考える余白を意識してお伝えしていきます。

Instagram:@diamond19_k

 

■シュン - 撮影・編集

チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。"僕らがたのしく生きるために" をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切に日々を生きています。

Instagram:@shun_booooy

 

 

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