【コーヒーが好きです。vol.4】Saladday Coffeeへ、コーヒーを感じに寄り道を。

美味しいコーヒーと、そうでないコーヒー。その違いは “人” にあると思う。

美味しいと感じるコーヒーには、淹れてくれるバリスタの人柄や想いが滲み出ている気がするんだ。お店を営む彼らに対して、コーヒーをとりまくあれこれについてとことん聞いてみたい。

コーヒーを淹れる人にフォーカスしたシリーズ【コーヒーが好きです。】。第4弾は、秋葉原に店舗を構える『Saladday coffee』。

 

vol.4 Saladday coffee@秋葉原 

路地裏に漂う魅惑の香り。まだ肌寒い春先の午前、下町の路地裏。

ふと足を止めた一角、柔らかい日差しに照らされた軒先に、1人、また1人と立ち寄っていく。

カウンターと焙煎機、数席だけの空間。焙煎した豆の香りはほのかに甘く、アナログレコードの音はしっとりと融けていく。

昔ながらの “町の珈琲屋” と、一杯の珈琲に感性を委ねる “非日常の空間” 。一見相反するように思える二面性が、表裏一体になっている。今回僕らが訪ねた『Saladday Coffee』は、そんな場所だ。

 

豆を “感じる” 空間

余計なものを削ぎ落とし、余白を残した土間のような空間。店に入ると、まず一枚板のカウンターが目に入った。ガラスの蓋に入れて並べられた4種の生豆は、実際に匂いを嗅ぎ、気に入った豆を注文できるようになっているようだ。

「今はウェブサイトやSNSを通してあらゆる情報をお店が発信して、そこからお客さまに選んでいただくのが基本ですよね。

まず来ていただくために大切なことだと思いつつも、うちの場合はなによりも感性で選んでいただくことを重視しています」

店主、宮村さんの談。実際足を運んでみると、文字情報は最小限に抑えられている。手に取って、見て、香りを体いっぱいに感じて、選ぶ。

嗅いでみると、それほど珈琲に詳しいわけでもない僕らにも、それぞれの違いがはっきりと分かった。

ガラスの蓋に閉じ込められているためか、開いたとき、香りが直接鼻の奥まで押し寄せてくる感じ。これは実際に感じてみてほしい。

「それぞれまったく趣の違う豆を置いてます。オープンから1年経ちましたが、今ある4種類は最初から使っていますね。味のコントラストをはっきり、というのは大切にしているポイントです。

新しいものを選ぶとしたら、どんな人が扱っている豆かを見ますし、直接話を聞きます。豆の生産者について、その人の考え方について、しっかりと話してくれる方から買いたいと思うので」

宮村さんのコーヒーに対するスタンスは、豆の選び方、さらにいえば焙煎の仕方にも出ていた。

「エチオピアのアリチャはうちでは唯一の深煎りです。エチオピアの豆を深煎りにするお店はあまり見ないですし、反対に深煎りにされることが多いインドネシア産の豆は中煎りにしています」

たしかに産地の情報を見ると、頭ではなんとなくこんな風味なんだろうなと想像している気がする。分かりやすい香りのイメージをまっさらにされるような、新鮮な感覚。

フルーティーなイメージが強いエチオピアの豆にあっさりした飲み心地とほのかな甘みを感じるのは、深煎りだからこその味わいなのかも。ホッと一息つきながら、お茶を飲むような、毎日飲めるような。そんな、安心感を覚える味わいだ。

一方で、マンデリンやトラジャのような、深煎りが印象として強いインドネシア産の豆。独特の風味が際立つアジアンテイストな味は、ここではどちらかというとフルーティーで飲みやすい。

「やっぱり情報がたくさん入ると、バイアスがかかるんですよね。サンプル、お飲みいただくコーヒーを通して、違いをたのしんでもらえたら」

まだ他の豆は試してないけれど、サンプルで香りを嗅いでも、その違いははっきりと分かる。次来るときはあれを試そうとか、頭でなんとなく考えている自分がいる。

ああ、これか。豆を感じるって。

 

街の暮らしに生きる、思い思いの心地よさ

都心にありながら、どの駅からも適度な距離。日々の喧騒を離れて、散歩がてら足が向く。そんな塩梅なのかな? ふと、立ち寄って珈琲豆を買っていく地元の人の多さに気がつく。

「うちの8割、9割はリピーターさんです。近くに住んでたり、一度来てくれて通うようになってくれたり。残りの1割2割がSNSや雑誌からお越しになる方かな」

下町。昔ながらの街並みが残る一方、蔵前や馬喰町といった話題のエリアにも近く、目的地として来たのかな? と思う方もちらほら。年齢層も幅広い。なんとなくの様子から、近隣の方が立ち寄っているんだなというのが分かる。

「最初からこういう人に来てほしい! って結論づける前にお店を始めているので、明確にお店での過ごし方を括るつもりはなくて。

門戸は広く持っていたいなあ、と。でも、ちょっと奥深まった居心地の良さもある。店づくりでもそこは意識しています」

店を見渡せば、読書をしたり、じっくりと珈琲を味わったり、宮村さんとカウンターで談笑していたり、友だちとお茶をしながらまったりしていたり…。

誰もが思い思いの心地よさを見つけて、この空間の空気と時間、そして目の前の一杯をたのしんでいる。

日差しが差し込み、宮村さんの姿、店の中が外から見える。それでいて奥行きのあるクローズドとオープンが同居した店構えは、そんな過ごし方にすっぽりとはまるようだ。

アナログで流れるピアノジャズやアコースティックジャズのレコード。耳を傾けたくなるくらいに心地いいけれど、BGMにしてもさらりと流れていく。

 

ちょっと寄り道、ほっと一服

コーヒー自体、関わり方は人それぞれであれ、僕らにとってとても身近な存在だ。朝起きたとき、仕事の合間、友だちと話すとき。僕らの片手には美味しいコーヒーがある。

そんな身近なものだからこそ、“感じる” 体験にハッとするような気づきや新しい魅力との出会いがある。そんなとき、コーヒーを片手に過ごす時間はいつもとは違った時間になるかもしれない。

さあ、暖かな日差しを浴びつつ、コーヒーを飲み終えた。これから何をしよう。サンプルの香りがやけに気になったあの豆。テイクアウトでお願いして、普段はあまり歩かない下町を散策、ってのもいいかもな。

 

今回訪れた場所

■Saladday coffee(サラダデイ コーヒー)

仲御徒町駅、末広町駅、浅草橋駅、秋葉原駅。各駅から徒歩約10分の場所にある『Saladday coffee』。店主の宮村さんが1人で切り盛りするこじんまりとしたお店は、その距離感も魅力的。オフィス街と下町のちょうど中間地点にあり、働く人と住む人、さまざまな人の暮らしが交錯する場所で、客層もリピーターが多くを占めるんだとか。アナログレコードの柔らかな音色に乗せられて、豆の香りが路地裏に流れていくみたいだ。

住所:東京都台東区台東1-23-9 山田ビル1F

Instagram:@saladdaycoffee

※営業時間や定休日などは上記Instagramのご参照をお願いします。

 

記事の創り手について

■アイカワ “ivy” ヨウヘイ - 取材・執筆

とにかく深く、そして、いつの間にか、広く。なにかを突き詰めていくと、ファッションなら音楽や映画、料理ならお酒、というように、いつのまにか他の分野まで興味が広がって、結果それが豊かさに繋がる、と考えています。好きなことは好きなだけ。時間も労力も惜しまず、深く掘り下げて、みなさんの豊かな日々のお手伝いができれば幸いです。

Instagram:@ivy.bayside

 


■シュン - 撮影・編集

チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。“僕らがたのしく生きるために” をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切に日々を生きています。

Instagram:@shun_booooy

 

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