【僕に料理ができたなら vol.1】ピアディーナを作れるようになるまで@CICLO

最初に言っておくけど、僕は料理ができない。

キッチンは物置になっているし、料理の知識はゼロ。

最近なんか、コンビニで買ってきたししゃもを焼いただけなのに焦がしちゃうし…。

そんな料理ができない僕なのに、今度、手作り料理を持ち寄ってピクニックをしようという話が舞い込んできた。

気の利いたものを作れる自信もないし、何を持っていくのが正解なのかも分からない。

「僕に料理ができたなら…!」なんて途方に暮れていると思い出したのは、家の近くにあり、行きつけでもあるイタリア料理店『CICLO』(チクロ)。

いつもなにかあると、ここのシェフである菊地さんに相談に乗ってもらっているんだ。

1人で頭を抱えていても仕方がないし、とりあえず話でも聞いてもらおっと。

 

いつものカウンターで

休日は、スタンディングバーが昼からオープンしているCICLO。

出かける前に1杯ワインを飲んだり、ランチのあとにコーヒーブレイクをしに来たり…。気軽に立ち寄れるから、なんだかんだで毎週訪れている気がする。

「お〜来たね! なに? さては、今日もなんかあった?」

なんでもお見通しの菊地さん。カウンターから優しく話しかけてくれる。

「あ〜、バレバレだ(笑)。実は…」

僕は正直にピクニックのことを伝えた。

料理をしたことがなくて、何から始めればいいか分からないということ。だけどピクニックには、友人とかぶらないような、ちょっとイカしてる料理を持っていきたいということ。

「なるほどね、欲張りだな〜(笑)。ピクニックのレシピか…。実はうちの店で新しいレシピを開発しようと思っていてさ。今から厨房で試作するけど、よければ見てく? “ピアディーナ” っていう料理なんだけど…」

「“ピアディーナ” …ですか?」

聞いたことも見たこともない単語が出てきて驚く。

「そうそう、ピアディーナ。言ってしまえばタコスみたいなやつなんだけど、ワンハンドだしピクニックにちょうどいいかな、なんて思ってさ」

おお、それはなんてベストなタイミング!

「ぜひ! 教えてください!」と僕は即答した。

 

ピアディーナの作り方を教わることに

「じゃあ、始めますか」とエプロンを渡された。エプロンをつけるだけで、なんだか料理人みたいで自信がつく気がする。

厨房に足を踏み入れると、さっそく菊地さんの指導が始まった。

「ピアディーナはイタリア北部の料理。見た目はパンみたいだけど、発酵させる必要がないし、粉をこねて焼くだけだから、作り方はすっごく簡単。それじゃあ見ててね」

 

ピアディーナの材料

「ピアディーナの基本の材料は、小麦粉と塩、水、ラード。今回は少しアレンジして、粉は薄力粉と全粒粉を混ぜて風味と味わい深さを出そうと思う。ラードは、代わりにオリーブオイルを使ってヘルシーな生地に仕上げるね」

「材料は、全部混ぜて、まとめるだけ。先に粉からまぜて、全体的に混ざったら、ほかの材料をいれる。水は計量しておいて、少しずつ調整しながら入れるのがいいかな」

「ぎゅっと力を込めて。生地がまとまるまでじっくり捏ねてね」

 <ワンポイント>
・生地を休ませる時間は常温で15分程度。夏は涼しいところや冷蔵庫などで休ませるのがおすすめ。

 

「じゃあ、次は生地を丸めよっか」

台にくっつかないように粉をふって、生地を6等分に。つるっとまんまるの球体に仕上げていく。

「厚さ2~3mmくらいになるようにめん棒で丁寧に伸ばしていくよ。直径は15cm〜20cmくらいかな。ま、フライパンの大きさに合わせればOK!」

「じゃあ、焼いていこうか!」

ピアディーナの全貌が見えてきた。

「火加減は中火で、片面30秒〜1分半くらいずつ」

焼き始めると、生地の表面がぷくぷくと膨らんでくる。

菊地さんは素手でひっくり返していたけど、実際にやってみたら思わずアチッと声が出そうになってしまうくらい熱かった。

 <ワンポイント>
・焼くときは、フライパンが温まってから生地をのせる
・生地が乾きやすいので、完成したピアディーナは濡らした布巾を硬く絞ったものを上にかけておくと◎

 

「いいね〜。じゃあ、ピアディーナを作りつつ、中に挟むものも作り始めますか」

 

サラダチキンの材料

「中に挟むものはなんでもよくて、現地だとスライスしたハムとか、薄切りのトマトとか。今回は、ピクニック用にアレンジしてサラダチキンを挟もうかな。まずは、鍋の中に調味料と野菜を入れて沸騰させておこう」

「5分くらい煮たら、火を止めて鶏肉を入れる。あとは、30分くらい湯が冷めるまで待つだけ。簡単でしょ?」

 <ワンポイント>
・レモンは、絞って果汁を出し、皮は捨てずに鍋に入れると香りが◎

 

「完成した鶏肉は、手でほぐすように割いてもいいし、包丁でハムを切るようにスライスしてもいいと思う」

「あとは挟むだけ。ソースは、トマトとアンチョビを混ぜたら美味しそうだな〜」と厨房にあるものでちゃちゃっと作る菊地さん。

僕は見様見真似で、生地にソース、作ったサラダチキン、野菜などを配置していった。

 

完成

1品目は、『プロシュートとトマトとルッコラのピアディーナ』。

フレッシュなトマトと、薄くスライスしたプロシュート、ルッコラを合わせた。

ソースは、粒マスタード( ディジョンマスタード・玉ねぎ・ お酢 ・卵黄・ハチミツなどを合わせたCICLOオリジナルソース)を。

2品目は、『サラダチキンと赤玉ねぎのピアディーナ』。

サラダチキンに、食感のいい赤玉ねぎ、トマトのソース。上にはイタリアンパセリを散らした。

あっという間に、ピアディーナが完成。

腰の重かった料理も、案外やってみたら一瞬だった。

 

いざ、実食

席に着くと、ワインが用意されていた。

「これは、“ピクニック”っていう名前のワイン。このピアディーナにちょうどいいでしょ? まぁ、まずは食べてみてよ」

「いただきます」と一口。

がぶりとかぶりついた瞬間、鼻の穴が大きく膨らんだのが自分でも分かった。

「あはは、美味しそうに食べるね〜」

生地は小麦がふわっと香り、さっくりふかふか。

タコスやサンドウィッチとは全然違って、味はすごくさっぱりしている!

素材の美味しさがシンプルに伝わってくる料理だった。

「イタリアにボローニャっていう街があって、そこのワイナリーに一昨年くらいに行ったんだよね。

生産者の方にごはんに連れてってもらったときに、このピアディーナに出会ったんだ。ただハムを切って挟んで食べるんだけど、それが美味しくて…」

菊地さんは、イタリアで見たもの、感じたことをたくさん教えてくれた。

「イタリアだと、野菜がそのまんま出てきて、テーブルに塩とオリーブオイル、ビネガーが置かれたものを “サラダです” って料理として提供されるからね。付け合わせの野菜だって、味つけがされていない茹でただけのものもあるし」

料理というと、たくさんの食材を用意したり、いろんな調味料を混ぜ合わせたり、“難しい” とか “大変” という固定概念があった。

でも、今日で少し価値観が変わった気がするな。

 

週末のピクニックに向けて

ピクニックのレシピも手に入れて、お腹もいっぱいで大満足の僕。料理なんて…と思っていたけど、今日から料理ライフが始まりそうな予感がする。

はやく帰って、忘れないうちにピアディーナをつくってみよう。

週末のピクニックが楽しみだ!

「がんばれよ…!」

 

レシピを動画で振り返ろう! 

 

 

僕らの友達について

■長坂睦生(ナガサカ ムツキ)

 Instagram:@mutsukinagasaka

  

今回教えてくれたシェフ

■菊地得郎(キクチ ノリオ)さん

 

今回訪れた場所はこちら

■CICLO(チクロ)

ナチュラルワインにシンプルなイタリア料理をたのしめる、西荻窪で愛されるイタリア料理店。店内はカジュアルかつ落ち着いた雰囲気で、彼女とのデートにもよし、大切な家族や友人を連れてくるのにもよし。素材に向き合い、時間をかけて丁寧に作られたメニューの数々に酔いしれること間違いなしだ。

公式サイト:ciclo2016.business.site

Instagram:@ciclo_nishiogi

※営業時間や定休日などは上記公式サイトやInstagramのご参照をお願いします。

 

 

記事の創り手について

■タナハシ – 取材・執筆

飯をこよなく愛する“飯狂”ことタナハシです。普段は、大衆居酒屋で酒を飲み、町中華で餃子を食べ、銭湯へ行きサウナで整ってます。ちょっといい&ちょうどいい情報をお届けしていく予定なので、ぜひ記事の拡散を!!!

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■ジツカワ タクミ – 編集・動画制作

“たくさんの人には知られていないけど、強く光るものにスポットライトを当てていく意識” を大切に、街やお店、モノや人に寄り添ってお伝えしていきます。

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■シュン - 撮影・編集

チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。“僕らがたのしく生きるために” をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切に日々を生きています。

Instagram:@shun_booooy




※撮影時のみマスクを外しています。また、アルコール消毒、三密の回避、検温等、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで取材を実施しています。

 

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