【君とフィルムと vol.2】思い出す、創り出す “愛おしい日常”
今年の四季はどこにいってしまったのだろう。
シャツ1枚で過ごすのが心地良い、新緑に包まれるあの軽やかな季節。あの季節に、今年は出会えなかった。
ようやく戻りつつある日常も、僕らが知っているものとは違う。
この瞬間があたりまえに続いていく。そんな根拠のない自信をもって過ごしていた、懐かしい日々。
今となっては、買い物をしていたとき、公園に遊びにいったとき、カフェでコーヒーを飲んだとき。
何も気にしなかったその何気ない一瞬一瞬が、とても愛おしく、美しく感じるんだ。
いつからなんだろう。モノクロの写真のような、味気ない日々に慣れてしまったのは。
もう一度、蕾から花が咲くように、雲が消えて青空が見えるように、日常に色を取り戻したい。
失われた日々を、少しずつ取り戻していこう。これは、チトセがフィルムカメラで映しだす “愛おしい日常”。
いつもの街で
いつもの半袖のTシャツにスニーカーを引っ掛けて、買い物に行っていたあのスーパー。しばらく行かないうちに、レジ袋にはお金がかかるようになっていたりして。
でも、このレジ袋に描かれた文字が愛らしくてさ。数円かけたってかまわない。買い物帰りに寄っていたあの喫茶店も、よく見てみれば、つい目を向けてしまうようなピンク色。
これまでなら目を向けなかった、少し曲がったあの標識も、レトロなフォントのお店の看板も。人間味に溢れた、愛の集合体なんだと気がつく。
ふらふらと散歩していた公園。いつもは見向きもしない遊具に腰掛けてみると、まだ公園なんて言葉も知らない頃の記憶を、なんとなく思い出す。
近くにある売店のソフトクリームの人形だって、どこにでもあるものだなんて思って、素通りしてた。
でも、その人形は私を笑顔にしてくれて、公園のクジラはみんなに笑顔を生んでいて。何気ない景色のなかに、小さな幸せのヒントは詰まってる。
涼しげな、でも、少し鼻につく川の匂いを浴びながら。
当たり前に過ぎていったあの頃の “日常” を思い出してみる。
なにがたのしかった?
なにが幸せだった?
もう味わえない、そんな瞬間もあるかもしれない。
でも、それだってまた、新しい “なにか” の始まりなんだよ。
きっとね。
どうなるかなんて誰も知らない。
気が向いたら散歩に出かけるように、明日からまた “愛おしい日常” を創っていこう。
僕らの友達について
■佐谷戸 ミナ(サヤド ミナ)
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※撮影時のみマスクを外しています。また、アルコール消毒、三密の回避、検温等、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで取材を実施しています。
記事の創り手について
■サカモト タクミ – 取材・執筆
服や音楽、キャンプにバイク、興味のあるものは数知れず。”好き” と ”知りたい” の幅だけ人生は楽しくなる、そう考えています。読者の方にもそう感じていただけるよう、自分が好きと思うものはとことん、まだ知らないものははじっくりと、人生が豊かになるような記事を自分の言葉と感性でお伝えしていきます。 Instagram:@sktt99 |
■コバヤシ オトナ – 撮影
ファッションや音楽、カルチャーはもちろん好きですが、1番好きなのは “人が作ったモノ”。モノに込められた想いやストーリーを、写真を通してみなさんに届けていきたいです。 Instagram:@@kobayashiotona |
■シュン - 編集
チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。“僕らがたのしく生きるために” をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切に日々を生きています。 Instagram:@shun_booooy |
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