【部屋から見えてくる、その人の姿。 vol.1】田中陸/予定調和なんてない。手間を積み重ねた先に。

おしゃれなあの人の着ている服やよく行くお店は、SNSを追っていればある程度知ることはできると思う。

だけど、意外にその人の部屋を見れる機会って少ないんじゃないだろうか。センスの良い彼・彼女の部屋の、センスが良い由縁を覗かせてもらおう。

「よく行くカフェがここなんだけど、そのインテリアが好きでオーナーさんに聞いたら、ブランドや購入できるショップを教えてくれて…」

「好きな映画で主人公の部屋がこんな内装で…」

なんて、その人自身のディテールも浮かび上がってくるような、そんな部屋から僕らは部屋作りを学んでみたいんだ。

きっと、部屋にはその人の生き方がありありと現れてくる気がするからさ。

彼のインテリアに関する情報源、どんな部屋を理想としているのか、部屋のなかでどこが好きか、この部屋を変えたキーとなったアイテムがなにかなど、“部屋” を通してその人自身に迫っていきたい。

今回お話をうかがったのは、役者やモデルなど多岐に渡り活動をしているリク。

 

vol.1 田中陸(タナカ リク)

最近のマイブームは大きめの観葉植物で、3つ買ったばかりだそう。所狭しとモノが並んでいるけど、不思議と雑多な感じはせず、むしろ整頓されていると感じる。

1人暮らし用の賃貸だからと諦めたくなることもあるけど、すべては工夫次第だということが分かったところで、本題に入っていこう。

もともとは名古屋に住んでいて、今の家に引っ越してきて3年目になるリク。知人に紹介された不動産で20軒ほど見てから決めたんだとか。決め手は何だったんだろう。

「立地は、好きな作家である太宰治にあやかりました。これまで実家時代も含めて自分の部屋を持ってなかったから、自分の好きな空間を作りたいなという願望が大きくて。

家自体にはそこまでのこだわりはなく。あ、でも寝室とリビングが分けられてるのは今になって思うと大きかったです」

言われてみれば、本棚には太宰治の作品がずらりと並んでいる。カバーが外されて文庫本が剥き出しになっているのって、カッコいいな…。

なんて話は置いておいて、たしかに地方から上京するときって、右も左も分からないし、尊敬する人が住んでいたり、少しでも知っていると思える場所の方が愛着を持って住めるんだろう。

 

他の人にはない、リクならではのこだわり

部屋をぐるっと眺めてみると、本当にたくさんのモノがある。DJブースに植物にブラウン管テレビ、そして座り心地の良さそうなソファー。

どれも計算し尽くされた配置のように見えるけど、あらかじめ買うものをリストアップし、配置を考えてから買っているのかな?

「そういったことはあまりないです。自分の気に入ったものを買って、部屋に持ってきてからさぁどうしようか!? と考えます(笑)。

DJブースは最初置けると思ってなかったんですけど、今下に置いている棚が気に入って。家に持って帰ってきたときに、あれ、ブース作れるじゃん! と気づいて」

あらかじめ計算して買った棚じゃないんだ! 他のモノも同じように買ったのかな?

「今座ってるお気に入りのソファーもそうです。たまたま永福町のリサイクルショップに行ったときに買ったもので。買う予定はなかったんですけど、お店で一目惚れをしちゃったんですよね…。

持って帰ってきたのはいいものの、入り口が通らず。足の部分を分解して、ようやくリビングに入れました(笑)」

ちょっと待って。持って帰ってきて…?

「はい、台車に乗せて、5駅分を2時間近くかけて持って帰ってきました。先ほどの棚も、家の近くの古道具屋さんから15分かけてかついできました。

あまり業者を使うのが好きではなく、自分で持って帰るたのしみがあるんです」

「毎回こんなことをしていると、気に入って買ってきたモノの置き場がなくてやっちまったなぁ…となることも多々ありますが(笑)。

他のインテリアも試行錯誤で動かしつつ、ここがいいな! とハマったときの感じがたのしくて、続けちゃってます」

リクはモノの大きさに限らず、その場で心惹かれたモノとの出会いを大切にするというポリシーがあるようだ。

僕らもよく古着を買うときに思うことだけど、買った次の日、いやその日に着たくなっちゃう衝動を、家具選びでも体現しているように思える。

 

予定調和じゃない買い物。自分でやる、そのひと手間に宿る愛着

雑誌に載っている憧れの部屋に少しでも近づけたい。そう思って、どんな部屋にしたいかを考えたうえで家具を揃えると思う。一方、その場その場での出会いを大切にし、手に入れてからレイアウトを考えるリク。

予定通りの部屋にしない。家具を自分の手で持って帰ってくる。それら1つひとつの手間や不便から、この部屋への愛着が生まれているみたいだ。

 

自分と部屋の関係性について。

部屋のイメージと俳優という仕事がつながっている部分はあるんだろうか?

「俳優という仕事柄、自分のことを深く知っている必要があると思います。そういった意味で、部屋作りが自己の内面を具現化させているという関係性があるのかなと」

自分という存在は、何が得意で、何を活かせるのか。

内省力が特に求められる仕事だからこそ、部屋作りにしたって、自分を作り上げるモノがなにかを知り、近くに置くことで自分と対話をしているんだね。

となると、古道具などのヴィンテージ品や、植物を置いている理由はなんなのかな?

「植物は起きたときに水やりをしているんですけど、1つひとつを大切に育てていく感覚を大切にしたいと思っています。

古道具は、自分と向き合うとき。過去からなにかを持ってくることが多いので、自分が小さい頃に触れていたものを大人になってからまた集めています」

言われてから気づいた。古道具やヴィンテージ品ではあるものの、僕らに馴染みのない古いものではなく、小さい頃に触れてきたものばかりだ。

地デジ化する前には主流だったブラウン管テレビ、DVDよりも前のVHS、そしておばあちゃん家で昔見かけた黒電話など、みんなも懐かしく感じるようなモノたち。

--部屋に写真も飾ってある。写真も撮るの?

「趣味で友人を撮ってます。写真を撮るとき、相手の内面を引き出すのって結構難しかったりするんですけど、それがお芝居に通ずる部分もあるかなと思っていて。

お芝居ってこう、形でやり取りするわけでもなく、どれだけ相手を引き出せるかも大切だと思うんです。そのコミュニケーションにも繋がっているのかなって」

仕事と部屋のみならず、趣味までも繋がっているなんて。

写真も相手の内面と繋がるものとして触れていたりと、リクはただ興味のままに動いているわけではなく、自分の人生の肥やしにしていこうとする姿勢が垣間見えた。

 

自分の内面を映し出すような部屋。そしてつながる仕事や趣味。

自分の居心地の良い部屋を作るということだけじゃなく、内面を映し出す部屋作りを心がけていたリク。

それが仕事をするうえで大切な自分の活かし方にも繋がっているし、なによりも自分を知ってもらうきっかけになっているんじゃないかな。

自分の部屋作りって、体裁を整えるだとか、どこか守りの部分が見え隠れしてしまうことがある。

けど、純粋に自分の一目惚れをしたものを並べて、その都度アレンジしてみるのも魅力的。

おしゃれな部屋作りの参考にしながらも、自分だったらここを大切にしたい! といった、“自分らしい部屋” について考えてみよう。

リク、今日はありがとう!

 

僕らの友達について

■田中陸(タナカ リク)

 Instagram:@tanakariku__

 

※撮影時のみマスクを外しています。また、アルコール消毒、三密の回避、検温等、新型コロナウイルス感染症対策を徹底したうえで取材を実施しています。 

 

記事の創り手について

■イマイ キミアキ – 取材・執筆

日常のちょっとした瞬間から特別なシーンまで、“答え” ではなく “問い” を持ち、みなさんと共に考える余白をを意識してお伝えしていきます。

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■シュン – 撮影・編集

チトセの代表と編集長、カメラマンを務めています。“僕らがたのしく生きるために” をテーマに、親しい友人から話を聞いているような、そんな等身大のメディアを目指して。「楽しいから楽しむのではない。楽しむから、楽しいのだ。」という言葉を大切に日々を生きています。

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