【イベントレポート】チャイとビールと、グッドミュージック。

長かったおこもり生活が終わりに近づき、僕らの大好きな街にも活気が戻ってきつつある今日この頃。

馴染みのお店に行ってワイワイご飯を食べたりだとか、お気に入りの音楽を聴きにライブに足を運んだりすることが、こんなにも嬉しいことだったんだと改めて気がついた人も多いはず。

街中が明るい雰囲気につつまれるなかで、本格的なクラフトチャイと音楽をたのしむポップアップイベント<STAND CHAI ME.>(スタンド チャイ ミー)が、久しぶりに開催されるとの情報が。

そこで今回、僕らはイベント開催場所である神宮前の『BOOKS BUNNY』(ブックス バニー)へ。

オーナー・木下寛(キノシタ ヒロシ)が作り出す、チャイと音楽、そして人と人の繋がりを知れば、みんなもきっと足を運んでみたくなるはずだ。

 

ヒロシが作る、クラフトチャイの魅力

明治神宮前駅から、北参道エリアに向かって歩くこと10分。

イベントが始まるよりも少しだけ早くBOOKS BUNNYに着いた僕たちは、お店に広がるスパイスのいい香りに驚いた。

「ちょっとだけ待っててくださいね!」

もうすぐ始まるイベントのために、チャイを仕込みながら出迎えてくれたヒロシ。
せっかくなのでSTAND CHAI ME.についてお話を聞きながら、チャイができあがる工程を見学させてもらった。

彼が手際よく準備する姿を見て、ふと素朴な疑問が浮かんでくる。

そもそも、チャイってどうやって作られているんだろう? STAND CHAI ME.流のチャイレシピを聞いてみた。

「まずはスパイスだけを煮出して、そのあと牛乳、砂糖、茶葉を加えるのがSTAND CHAI ME.流です。茶葉はじっくり煮ずに、すぐ上げてしまうのがポイント。

うちのチャイは茶葉がメインの材料だけど、水に浸している時間がほかの材料よりも短いのが特徴なんです」​

 「スパイスとして使っているのは、カルダモン、シナモン、ブラックペッパー、スターアニス、クローブ。

香りづけにはサルタナレーズンを入れています。すりおろした生姜も味のアクセントに」

いい香りの秘密は茶葉や生姜だけでなく、数種類のスパイスにもあったのか…!
こだわりの詰まった、鍋いっぱいのオリジナルクラフトチャイ。

このイベントを知ってからずっと気になっていた、チャイを作ろうと思ったきっかけをヒロシに聞いてみた。

「きっかけは、インド旅行で飲んだチャイの美味しさに感動したこと。インドではお店はもちろん、電車の中だったり街のいたるところでチャイが売られていて。

味だけでなくカルチャーというか、生活の一部として根づいているのがすごくいいなと思ったんです。

そこから日本に帰ってきて、美味しいチャイを探したのですが少なくて。チャイという飲み物の認知度は高いのに、実際に出している人やお店はほとんどないなと。

だったら、自分が美味しいチャイを作ってみようかなと始めたのが、STAND CHAI ME.です」

なるほど。カルチャーとしてのチャイに魅せられた、というエピソードはなんだか親近感が湧くな。

感動して発信するだけではなく、実際に自分の手で作ってチャイを広めようと思う行動力にも驚く。

 

ヒナノとの出会い

チャイを作る横で、同じく今回のイベントに向けて準備を進めるのは弟子のヒナノ。

とっても気さくで笑顔が素敵な彼女。どんな経緯でSTAND CHAI ME.に参加したのだろうか。

「ヒナノとの出会いは、共通の友人から誘われたフリマに出店したとき。そのフリマにヒナノが遊びに来ていて、チャイを飲んでくれたのが始まりですね。

当時の彼女はチャイが嫌いだったけど、僕のチャイを飲んだことがきっかけでチャイが好きになったそうなんです」

すごい…! ヒナノにとって、ヒロシの淹れるチャイが特別な一杯になったんだ。

素敵なエピソードだけど、そこからどうして一緒にチャイを作ることに?

「フリマでチャイを飲んでもらった半年後、ヒナノが『作り方を教えてほしい』と連絡をくれて。

ちょうどそのタイミングでSTAND CHAI ME.のイベントをやることになっていたので、『来月イベントに出店するんだけど、やってみる?』と声をかけました。

それで、ふたつ返事で参加してもらうことに。そのイベントを経て、DJのみんなもクルーの1人として迎え入れよう! と快く迎え入れてくれて。

それからはSTAND CHAI ME.の一員として活動してもらっています」

 

チャイをたのしむための音楽 

ヒロシの話を聞いているうちに時間がきて、ゆるやかに始まった今回のイベント。

顔馴染みのお客さんがお酒をたのしんだり、SNSを見て初めて訪れた方がチャイをテイクアウトしていったり。

DJセットから流れる、カラッと晴れた秋の昼間にぴったりな、軽快な音楽が心地いい。

「イベントを始めたとき、最初は音楽について深く考えていなかったんです。

自分が美味しいと思っているチャイを作って、友達に横でDJをやってもらって、なんとなくたのしくてOKというテンションで。

それがイベントを続けていくなかで、STAND CHAI ME.にとっての音楽の意味ってなんだろうと考え始めました。

一緒の空間にいて、他の人から見たらやってることは変わらないんだけど、僕らなりの意味があって。

その空間で生まれる会話とか、ドリンクを飲んでいるときに聴こえる音楽も含めてSTAND CHAI ME.なんだと。

美味しいチャイだけでなく、チャイとDJとコミュニティがある。その3つでSTAND CHAI ME.で、どれか1つが欠けてもSTAND CHAI ME.ではないんです」

お昼は軽快な音楽から始まり、だんだんと夜になるにつれてゆったりとした曲にシフト。

1つのジャンルに囚われることなく、ヒップホップやR&B、ハウスミュージックからシティーポップまで。

時間帯によって違う雰囲気を作る音楽は、チャイとその空間をたのしむ人たちのためにかけられている。

 

どんなイベントなんだろう?

 

お店の入り口には、ひときわ目を引くTシャツとバッグが。

誰がデザインしたものか気になって聞いてみると、なんとフジロックフェスティバルのイラスト制作を務めているAsuka Watanabeさんとのコラボグッズだとか。

実際に試着したり、買っていくお客さんもいて、イベントをよりたのしめるポイントになっている。

そうそう、メニューにはお酒が用意されている。チャイのイベントじゃ…? と思う人も多いはずだ。

お酒が用意されている理由について、ヒロシに尋ねてみた。

「かたやお酒を飲んでいる人がいて、チャイを飲んでいる人がいて、友達のDJを聴きに来ている人がいて。

そんな人たちが1つの空間でたのしんでいるっていうのがいいなと。そのなかでも、お酒は人と人の心の距離を近づける役割を果たしてくれています」

なるほど。今回のイベント「チャイとビールと、グッドミュージック。」というタイトルからも分かるように、STAND CHAI ME.を開催するうえでお酒は欠かせない存在のようだ。

夜になると、ゲストは店内に入りきらないほどに。常連がたのしむのはもちろんのこと、1人で遊びに来た人たち同士が仲良くなることもしばしば。

1年ぶりの開催でも、STAND CHAI ME.の基本は変わらず。その場で生まれるコミュニティーや関係性から、改めて人と人との繋がりの大切さを実感できる。

 

いつもより少しだけ特別な、チャイのある週末を。

非日常なワクワク感がありつつ、日常に溶け込むような空間をたのしめる場所<STAND CHAI ME.>。

心地いい音楽がかかる店内で、人と人が繋がりまた新たなコミュニティーが生まれる。

馴染みのみんなや、今日初めて会った人たちと、チャイを飲み、お酒をたのしみ、音楽を聴く。そこでどんな過ごし方をするかは僕ら次第。

次回はフラッと1人で遊びに来てみようかな、なんて思いながら。みんなもそんな風に気軽に足を運べば、最高な “チャイのある週末” を過ごせるはずだ。

 

 

Place_BOOKS BUNNY

Brand_STAND CHAI ME.

Owner 1_Hiroshi Kinoshita

Owner 2_Hinano

Interview&Text_Rina Sugo

Photo&Edit_Shun Shimizu

 

 

【イベントレポート】チャイとビールと、グッドミュージック。